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「アンジュ、おはよ!一緒に学校へ行こうよ!」
目を離さないもなにも。
彼女の方から、私に近づいてきた。
「昨日、アンジュのママが挨拶に回ってたから。同じマンションだったなんて、偶然だよね!」
偶然…か。
それほど大きな街の事じゃない。
引っ越しを繰り返す家族は大抵マンション住まいだ。
うちとマユリの家族が、同じマンションに住んでいる可能性は、高いというわけだ。
そう、これは偶然…。
「でね、うちのママが遊びにいらっしゃいって!アンジュ、昔から勉強出来るもんね。一緒に宿題やろうよ!」
え…と、よく聞いてなかった…。
「うん、そのうち…。」
「アンジュ、ぼうっとしてると車に跳ねられちゃうよ!?」
マユリが屈託なく笑う。
車に…何だろう?…また頭痛が…。
「あーあ、羨ましいなあ。見てよ、前のカップル。私も彼氏ほしー。」
コロコロ話の変わる子だ。
私は苦笑いしながら、通学路を急いだ。
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