高校1年 2月14日

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 あれからもう8ヶ月。  季節は夏も秋ももうとっくに通り越して、冬。  朝の町は息が凍るくらいの寒さだ。 「うう、冷た……」  急いで出てきたせいで、うっかり手袋を忘れてきてしまった。  走る度に指先が冷えていく。  けど、あたしの足取りは軽かった。  元陸上部のあたしにとっては、駅までの道のりなんて大した距離じゃない。  鼻歌混じりであたしは駆けていく。  あの小さな箱の中身の事を考えると、わくわくして仕方がなかった。  ただ一つ心配事があるとすれば、それは目の下にクマが出来ていないかという事。  昨日は何だかんだで2時近くまで起きていたのだ。  目の前の歩行者用信号が赤に変わって、あたしはようやく足を止めた。  と、その時だった。 「紅花~!」  後方からあたしを呼ぶ声がして、あたしは振り向いた。
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