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「はい!いかがでしょうか?すぐにでもとりかかれますので。」
あらゆる宅地でみかける、地味なシルバーグレーの金属フェンスが8mで65万円。
しかも折半だから、これで半分の金額だと言う。
高い。ウチの担当者に頼んだほうが安い。でもお隣とは仲良くしておきたい。
だけど…順番がおかしくないか?引っ越しの挨拶より先に業者が来るなんて。
うーん、逆に言いにくいから業者に頼んだのかも。
それともこの男が勝手に動いているのか?
そうだ!事前に高い見積もりを出し、事後承諾の形でナカムラさんに伝えるに違いない。
わたしはとっさにそう判断した。
「お話はわかりました。でもお隣とはご挨拶が済んでいませんので、
、、少し考えさせてください。」
クリアファイルをしまいながら伝えると、
「もう少しお安くもできますよ!」
ゴリ押しをしてきたが、笑顔でドアを閉めることにした。
わたしの勘、というか流れとしては、ナカムラさんが近日中に我が家を訪れ、自然にフェンスの話になり、今回より少し安い値段で工事がすすむだろう、そう考えていた。
が、そうはならなかった。
サンガーデンの男が都合良く説明したのか、わたしの応対がナカムラさんに誤解されたのかはわからないが、
翌日からいきなりフェンス工事が始まった。
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