プレゼント

2/36
前へ
/36ページ
次へ
お家から外を眺めると、びゅうびゅうと風が唸り声を上げていた。 二、三日前から続いている吹雪は、遠くの山にも近くの森にも降り積もって、辺りを真っ白な世界に作り上げていた。 夜になっても降りやむ気配はなく、ごぉおおうと恐ろしい叫び声を上げて、横殴りに雪が降り続いている。 ボクの好きなお星さまを最後に見たのはいつだったっけ? 冬の空気は澄んでいて、小さい粒のようなお星さまだってうんと見えるんだ。流れ星もいくつも見つけた。 お姉ちゃんが「流れ星に願いを三回唱えると叶うんだよ」って教えてくれたけれど、いつもボクはその願い事を思いつく前に、流れ星は遠く空の彼方に消えてしまうんだ。 「外で追いかけっこをして遊びたい」 「湖の上でスケートをしたい」 「森の中を探検したい」 今だったら願い事が思いつくんだけれど、「神様どうか明日はいいお天気にして下さい」とボクは空を眺めて、お願いした。 「こんなに雪が吹雪くのって雪女が怒ってる証拠なんだぜ?」 ボクが真っ黒な空を眺めていたら、いつの間にか隣にお兄ちゃんがいた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加