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お家から外を眺めると、びゅうびゅうと風が唸り声を上げていた。
二、三日前から続いている吹雪は、遠くの山にも近くの森にも降り積もって、辺りを真っ白な世界に作り上げていた。
夜になっても降りやむ気配はなく、ごぉおおうと恐ろしい叫び声を上げて、横殴りに雪が降り続いている。
ボクの好きなお星さまを最後に見たのはいつだったっけ?
冬の空気は澄んでいて、小さい粒のようなお星さまだってうんと見えるんだ。流れ星もいくつも見つけた。
お姉ちゃんが「流れ星に願いを三回唱えると叶うんだよ」って教えてくれたけれど、いつもボクはその願い事を思いつく前に、流れ星は遠く空の彼方に消えてしまうんだ。
「外で追いかけっこをして遊びたい」
「湖の上でスケートをしたい」
「森の中を探検したい」
今だったら願い事が思いつくんだけれど、「神様どうか明日はいいお天気にして下さい」とボクは空を眺めて、お願いした。
「こんなに雪が吹雪くのって雪女が怒ってる証拠なんだぜ?」
ボクが真っ黒な空を眺めていたら、いつの間にか隣にお兄ちゃんがいた。
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