第1章

3/5
前へ
/5ページ
次へ
ところで、この実験では一つ注意をして欲しいのですが ヘリウムは基本的に人体に対して、無害であるとはいえ 当然ですが、吸い込む事にだけ気を払って、酸素を遮断 してしまえば、酸欠症に及ぶ危険性を考えて下さい。 それでは、本日の講義はここまでです。」  この日の実験では学生全員が病院に運ばれた。  さて、次回の講義も学生達が詰め掛けた。(懲りない) α教授: 「今回の授業では、皆さんにコップ一杯分のコーヒーを 配ってあります。今回はエントロピーの実験を行います。 現在、ブラックコーヒーの状態ですが、一緒にミルクを 配布してあります。さて、コーヒーにミルクを少し注ぐと 目で見て、白い部分、黒い部分が判ると思います。 この段階では、この後に予測されるエントロピーが大きい 状態よりも、エントロピーが小さいと呼ぶことができます。 すぐコーヒーとミルクが混合される事で、乱雑の程度を エントロピーによって指標予測できます。 例えば、コップ一杯のブラックコーヒーと、コップ一杯の ミルク。これらは区別がつきやすいので、混合させた コップ一杯のミルクコーヒーよりも、乱雑ではないと 考えられます。熱力学では物や熱の混合による乱雑度を エントロピーと呼ぶわけです。情報学でも情報量として 耳にする機会があるので覚えておくと良いでしょう。  ところで、この一度混ぜてコーヒーとミルクが混合して これをまた分離させて、珈琲とミルクに戻す事は可能だと 思いますか?」 私: 「それは今、この状況では不可だと予測します。」 α教授: 「と、思うでしょう。ですが今回は私の友人をゲストに 迎えています。失礼ながら少年のような身長に流行なのか 銀色のツナギを着て、巨大なサングラスをしている彼は 【グレイ君】と言って、長年、私の研究に協力してくれて 今回もご覧のように、元通りに分離させてくれました。 それでは、今日の授業はここまでです。ゆっくり珈琲を たのしんでください。では行きましょう。グレイ君。」  α教授と何だか解らない銀色のボディスーツで真っ黒な 巨大な瞳をした生物は出て行き、学生は珈琲に口をつけず α教授が用意した珈琲の空き瓶から、賞味期限を確認した。 1877年。我々は学問を習っているのだろうか。 サバイバルを習っているのだろうか。  さて、次回の講義も学生達が詰め掛けた。(挑戦的に) α教授:
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加