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「い、郁人……っ」
「ダメ?」
「ダメじゃない……けど」
「よかった、もう、待てる気ぜんぜんしないしっ」
そう言いきるか言いきらないうちに、
床に押し倒されてて、
「郁人っここじゃ……」
「うるさい口」
「や……ん」
唇を塞がれて、
言葉を奪われる。
もう言葉なんていらない。
欲しかったものは、目の前にある。
恋い焦がれた人が
自分を求めてくれるこんな幸せはない。
全身からあふれてくる想いは
誰にも止めることなんてできない
それは涙の粒となって私の頬を濡らす。
冷たい床と、郁人の重み
それが夢でない現実だと物語る。
融けあう二人の想いが
嬉しさと悲しさと愛おしさと、
色んな感情を一色に塗りこめていく。
かけがえのないお互いを求めて……
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