第20章 信じていたから

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郁人SIDE::::::: 明日、婚約式があるために朝から 会場に入り、打ち合わせをしていた。 菜々美は、午後から合流することになっている。 ここまで来ても、仕事とか、 菜々美にとって俺はそんなもんなのか、 ちょっと不満。 この一週間があっという間だった。 声を聞くと会いたくなるからと、 電話をしなかった自分がうらめしい。 散々菜々美を泣かせてしまったが、 俺だってかなりきつかった。 この間に誰かに心を動かしてしまうんじゃないだろうか、 あの状態がずっと続くんじゃないだろうか、 何も保証はないし確証もない。 仕事の方も今月末には稼働する計画。 業者との打ち合わせも混んでしまって、 手を抜くことができない。 とにかく菜々美の元気な姿が早く 見たくてたまらなかった。 会場の入り口で、佇んでいる菜々美 を見つけた時は、 高校生の初デートか? と思うくらいドキドキした。
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