第20章 信じていたから

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菜々美SIDE::::: エステってすごい、 肌とかぴちぴちだ郁人超喜びそう ……て、私何考えてるんだ? 全身エステされてぴっかぴっかの私。 明日、誰よりも輝ける自信がついた。 親の七光、どころか、 親のおかげで、お情けの婚約者みたいな、 図々しいなんて噂が耳に入るたび、 そんなんじゃないと、 否定する想いと、 はたから見たりそう見えるんだとい事実も、 受け止めるしかなかった。 別にだからって自分の立場を卑下するつもりも、 ましてや、自分のことをそう言う存在だとは思っていないけど。 誰からも認められる人になりたいとは思っている。 郁人に 『エステ終わった』 とメ-ルを送るとすぐに。 『部屋に来て』 と返信が来た。 髪を少し軽めにカットして エステした私。 たかがエステと侮るなかれ、 なんだか一皮むけて、今の私は無敵だ。 郁人見ててね、私、郁人の婚約者と して自慢してもらえるようになったと思うよ。 綺麗って言ってくれるかな。 郁人に電話してル-ムナンバ-を 聞きながら歩き始める。 郁人の元へ 今夜はきっと郁人に抱かれる。 そしたら、今よりもっと自信がわくに違いない。 郁人は私の虜かも……くすくす 一寸邪まな感情に背中を押されながら、 足取り軽くスキップを踏む。
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