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ホテルの部屋で目を覚ました。
スィートルームの広いベッドで、
郁人が大の字になって寝ている。
すごい寝相。
100年の恋も覚める?
まさか!覚めないよ。
高校の頃から、
王子などという異名をとって、
妙にスマートで、
ママを亡くしてからは
ずっとナイトみたいに私を守ろうと
して、
その上。会社ではサラブレット扱い。
人間味が欠けてたわよ。
同い年のくせに上から目線だし。
こうやって一人の男として、
私の前だけでは無防備でいてくれるの凄く嬉しい。
独り占めしてるって嬉しくなる。
「郁人…」
「ん?」
胸に擦り寄った私を郁人は寝ぼけながら引き寄せる。
幸せ……。
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