第20章 信じていたから

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ホテルの部屋で目を覚ました。 スィートルームの広いベッドで、 郁人が大の字になって寝ている。 すごい寝相。 100年の恋も覚める? まさか!覚めないよ。 高校の頃から、 王子などという異名をとって、 妙にスマートで、 ママを亡くしてからは ずっとナイトみたいに私を守ろうと して、 その上。会社ではサラブレット扱い。 人間味が欠けてたわよ。 同い年のくせに上から目線だし。 こうやって一人の男として、 私の前だけでは無防備でいてくれるの凄く嬉しい。 独り占めしてるって嬉しくなる。 「郁人…」 「ん?」 胸に擦り寄った私を郁人は寝ぼけながら引き寄せる。 幸せ……。
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