リベンジポルノ②*38

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幼い顔立ち、くるりとした丸い目、厚ぼったい唇。中田ミユに似た女性だった。私はグーで拓真の頭をポコンと叩き、彼女の書き込みを読んだ。 「リズ・ヴィレッジ?」 「この石蔵風の建物。150人まで収容できる会場。料理はスペイン風だってさ。室内はこんな感じ」 拓真がクリックすると、画面は中央に鎮座する教会から青々とした芝生広場に移り、そこから伸びる石畳のスロープを登る。やがて見えてきた石畳のアーチを抜けると重厚な木製の扉が開いた。 天井からつり下がるシャンデリア風のシーリングライト、天窓から入る太陽光、壁のスポットライト。明るく照らされた室内は淡いブルーのテーブルクロスが掛けられていた。 「うわ……」 「ブルーが基調ってのも伊織っぽくね?」
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