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しばらく無言だった。肩を並べて足を進める。階段を上がろうとしたとき、村田がようやく重い口を開く。
「・・・なんで死んだんだろうな、岡田」
下を向きながら、ややうつむき加減で言った。
「外傷がなかったんだろ?・・・ってことは、病気的なものかな?・・・学校から何か説明があるといいけどな」
オレも目の前の階段の段差を見つめながら話した。階段を上り終えると、長い廊下を渡った。
「・・・そうだな、何か説明が有ればな・・・でもなんだったんだろう、口裂け女、って・・・・・・何も知らないよな?」
「知らないよ・・・それ警察に話したんだろ?」
「ああ、話したは話したけど・・・もちろん警察も何もわかるはずもないし、これから捜査していくうえで、何かわかるかもしれないからと頭には入れてたみたいだけど・・・けど、なんで岡田は最後にオレに電話してきたんだろう。それがわからない」
「村田は岡田と普段話すのか?」
「いや、そういうわけでもないんだ。むしろ昨日カラオケに行ったのも、一緒に行くことになっていたオレの友達が風邪ひいたから、その友達の友達の岡田が一人になって、それで行くことになったんだ。本来は岡田とは話さないし、どっちかっていうと友達ってわけでもない」
「でも電話をかけてきた・・・カラオケに行って意気投合したからかな?」
「どうだろうな・・・だけど一度遊んだくらいで、『口裂け女って知らないか?』って・・・意味がわからないよな・・・」
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