第1章

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小学生がよく通った。すれ違いざまに見るとゲームを片手に友達同士で話し込んでいたり、自転車に乗っていたり一直線に走っていく子もいた。夏休みの風物詩だろう。こんなに平日に小学生を見る事なんてない。 外は意外に涼しかった。スマホで気温を調べると、28度だった。午後からは雨が降るらしい。朝起きたときよりも雲が増えていた。空を見上げることもめったにないが、なぜだろうか、夏に対しての意識がここまで顕著だと自分自身気持ち悪くなった。31日だからか?なんでこんなに雲とか気温に敏感になってるんだろう。 いつも行くコンビニだったり、スーパーを通り越した。街は人もまばらにそれなりに栄えていた。いつもの光景である。そこまで田舎ではないが、人は結構多いのがこの街の特徴だった。1分以内に必ず誰かとすれ違う。 家を出てから20分ほどたち、いつも見ている道、いつも視界に入る森林、街並みを仰ぎながら歩いていたら、偶然クラスのやつと会った。村田だ。そこまで仲良くはないが、しゃべれないこともないくらいの距離感だ。 「山田。どこ行くんだ?」 「・・・いや、ちょっとコンビニに」 「ああ、そうか。夏休み何した?」 「ああ、そうだなあ、いや、特に何もしてないな」 「まあ、受験だしな。大体勉強しているやつが多いだろうし、何もしてないやつが多いと思うぜ。山田は大学行くんだっけ?」 「行くよ。俺の場合は指定校推薦だから、勉強とかしなくていいんだ。村田は?」 「俺は一応国立受けるから、勉強はしてる。今も朝まで漫画喫茶で勉強してたんだよ。いまから帰る」 「そうか、・・・・じゃあ、またな」
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