第1章

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8月も今日で終わり・・・最後の日に誰かと話せただけで、今までの期間が全部チャラになったように思える。 ふと窓の外に目をやると、雨が降り出していた。かなりの大雨だ。かなりの音が部屋の中にも響く。 夜の10時になった。夕飯を食べ終え、風呂に入り歯も磨き、自分の部屋に戻り寝る準備をしていた。いつもならネットゲームをするところだが、明日は学校だし早めに寝ることにした。久しぶりにベッドの横に放置されているカバンを手にし、教科書や筆記用具などを詰め込んだ。少しホコリがカバンにかぶっていたので、軽くはらった。 あくびをすると、イヤホンを外し、スマホと一緒に机の上に置いた。寝るか。ベッドまで歩き、横になろうとしたその時だった。スマホから音が鳴った。着信音だ。 誰だ?とまた机まで歩き、スマホを手に取り画面を見ると、今日カラオケに行った村田からだった。遊んでいるうちに意気投合し連絡先も交換したのだ。電話に出た。 「ああ。村田か?」 「ああ、オレだ・・・あのさ、聞いたか?」 「え?何がだ?」 「・・・あのさ、実は、・・・・・・岡田が事故で、・・・死んだ」
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