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彼は少し後方に下がる。すると、液体が飛び散り、私の頭にもかかる。
「処分完了」
彼は刀をひと振りし、それに着いた血を払う。そして、後ろで男が倒れると同時に彼は刀を鞘に仕舞った。同時に朝日が彼の姿を、鮮明に私の目に映し出し始める。
「あと、3人だな・・・・」
少年が呟く。そして、彼は腰の抜けてしまった私に近づく。そして、彼は私の目線に合わせジッと見てくる。私は挙動不審になりながらも、感謝の言葉を言おうとする。すると、彼から先に私に言葉を放つ。
「あの、寒くないの?」
彼は私のジャージ(下)を差し出しながら、そう言った。
「えっあっ・・・ありがとうございます・・・?」
私は正常な判断が出来ず、それを受け取る。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
無言の時間が流れ、ようやく理解する。私の下半身は今、下着一着だという事実に。
「~~~~~~~~~~~ッッッ!!!!!」
瞬間、顔に血が昇るのを自身の熱で感じる。しかも、相手は自分と同じぐらいの少年だ。今頃、恥ずかしさが込み上げてしまった。
私は本能に従い、高い音でその場に叫び声を上げた。
これが、私と私の王子様となる彼との出会いだった。
二番目のプロローグ(夜) おわり
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