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しかし、少女の姿である私達を見て、危険は無いと悟ったのだろう。2人は優しそうな笑顔になる。
「お譲ちゃん、君もかい?」
質問の意味はすぐに悟った。私は頷く。
「そうかい。じゃあ、これを食べな。」
「あ、ありがとうございます」
私は焼いた芋を2人の男のうち、小太りの男の方から手渡される。すぐさま、私は後ろにいる響にそれを渡す。すると、彼女は一心不乱にそれにがっつき始めた。
「ははは、かわいいねぇ」
全体的に細い男が呟く。
「すいません。貴重な食料を分けていただいて・・・・」
私は頭を下げる。
「いいよいいよ。こんな時だ、助け合おうじゃないか」
小太りの男はそう言い、笑う。良かった、優しそうな人に助けてもらえそうなことに幸運を感じる。
彼らからもうひとつ芋を差し出される。私は感謝の言葉を言い、それを受け取った。しかし、それに響がジッと見つめていることに気づく。私は芋を半分に割り、それのうちひとつを彼女に差し出す。
「さ、食べなさい」
私がそう言うと、彼女の顔はきらきらと輝く。私はそれを見て、少し嬉しくなる。そして、私も芋をかじる。
あまり、おいしくない。
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