2番目のプロローグ(夜)

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「ぐおはっ!!!」 後ろで男の野太い悲鳴が聞こえる。しかし、何が起きたのか全く分からない。振り向こうとすると、細い男の拘束から簡単に逃れることが出来た。そして、私の目に映ったのは、黒いコートを着た少年?だった。 「なんだ、おまえ!!」 細い男は私から距離をとる。正しくは彼から距離を取った。 「・・・・」 彼は無言で4.5紙の束を出す。そして、それをペラペラとめくり始めた。 「おい!!聞いてんのかお前!!」 細い男は自分達のバッグに駆け寄る。すると、そこからナイフを取り出す。しかし、その行動は無駄に終わった。少年はとてつもない速さで立ち上がろうとした細い男の腹に、掌拳を叩きこんだ。 「かはっ・・・!」 すると、細い男は腹を押さえナイフを落としながら悶絶する。少年はナイフを拾い、四つん這いの細い男の尻を蹴る。そして、うつ伏せになったところを少年は細い男の後ろ首を掴んで固定し、ナイフをそこに叩きこんだ。 「ギエッ!」 男の手と足が一瞬浮かぶ。蛇が絞殺される時のような悲鳴と骨が砕かれたような音が聞こえると同時に、細い男の首元から血があふれ出る。多分、少年は突き刺したところからそのまま横にかき切ったのだろう。
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