第1章

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俺は物心ついた時から 父親によって 暴力を受けてきた そして学校では 友に裏切られた そんな時に 東日本大震災が来た 俺は家族丸ごと のみ込まれた あの汚い海の舌に 奇跡的に誰も死ななかった ただ死の直前の恐怖は わかる そして 転校 小学五年生だった 3ヶ月その学校に行った 俺以外の家族はみんな うつ病になっていた それこそ安定剤が必要だった そしてそのせいで父親の暴力は 強さを増した 耐えきれなくなった 母親が俺と姉を連れて 家を出た ここで言っとく俺は女 男に憧れる女 そして八戸に逃げた 母親の実家 1ヶ月間そこから出なかった ある日 母親が転校の手続きを済ませた 今度は八戸の学校 そこで俺はゆうき(親友)に 出会った 言い慣れない苗字を 言って 最初は怖かった 裏切られるのが でもゆうきが違うと教えてくれた もうその時から 運命は 決まっていたのかもしれない でも少しの可能性をかけて 楽しんだ心の奥底から でもついに卒業 八戸の学校に転校したのは五年生 その時にはゆうきにだけ 言っていた 久慈に戻ることを ギリギリまでいた でもどんなにあがいても 所詮俺らは子供 無駄な体力を使うだけだった 久慈に戻ってからすぐだった 安定剤が必要になったのは やっぱり嫌だった 父親は怖い 信じられない でもまだ少なくなった 前は毎日のように叩かれてたから 今は1週間に3回くらいで それだけでも俺は嬉しい でも本当に 俺も戻りたい 戻れるなら 2人で何も知らないで遊んでいた あの頃へ
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