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「おかえり」
会長のあたたかな笑顔はもちろん、この寒い冬にも健在だ。
「ただいま戻りました」
挨拶をしながらリビングに入ると、目に飛び込むのは電飾を点した大きなクリスマスツリー。
見上げるほどの大きさで、いつ見ても素敵だ。
「…ウチのとは…全然違うな…」
私がツリーを見上げながら言うと、会長が横から同じようにてっぺんの星を見上げた。
「…全然違って…どちらも素敵だろう?」
「…はい」
私は会長を向いて微笑んだ。
すると、会長は私以上の微笑みを返してくれた。
私はふと思ったことを口にした。
「…会長って…サンタさんみたい」
「…私が?」
「…はい。見た目も優しいから…サンタにぴったりだし…いろんなものを与えてくれるから…」
「私は何も…していないよ。むしろ、渉や君に…もらってばかりだ」
私は笑った。
だって
会長…
母と同じようなこと言ってるから…
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