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渉さんは黙ってフォークを手にしてお皿を引き寄せた。
そして、フォークにたっぷりとパスタを巻き付け、大きな口を開けて豪快に一口目を食べた。
たくさん口に入れ過ぎたのか…
その味を噛みしめているのか…
渉さんは少しの間沈黙だった。
だけど、
その間に渉さんが小さく鼻をすする音を
私の耳は拾ってしまった。
私が視線を伏せていると渉さんが言った。
「望愛、お前も食えよ…冷めちまうだろ」
「…はい。いただきます」
私もそっとフォークを手に取った。
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