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「…今日は冷えるな…。体調は大丈夫か?」
渉さんは外出先から戻って、少しかじかんだ指先を私の淹れたコーヒーのカップで温めていた。
「はい。大丈夫です」
私は自分の手のひらが自然にお腹にあることにその時気付いた。
お腹の赤ちゃんは…3カ月目を迎えていた。
まだほとんど膨らみのないお腹だけど
そこにある命は
確かに感じていた。
12月に入って一週間が過ぎ
結婚式まではあとわずか。
白い冬が
日に日にクリスマスカラーで覆われていく中
式の準備は着々と進められていた。
もちろん…
…渉さんの手によって。
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