十二

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 その日が特別寒かったせいも あるだろう。  昼間、大人でも疲れるくらい遊び、 トイレに行くのも忘れて 寝てしまった哲夫は、 日付が変わるころ 尿意をもよおして目を覚ました。  灯かりの消えた寝室には 自分一人しかいない。  不安になった哲夫は立ち上がり、 部屋の襖をそっと開けた。  リビングルームのドアの隙間から、 灯かりと二人の話し声が漏れていた。
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