1人が本棚に入れています
本棚に追加
山口家の門の前に、
大きなトラックが停まっていた。
哲の姉が、
緑色の制服を着た男たちに
あれこれと指示を出している。
哲と光子は、
哲夫を連れて近所に
挨拶に回っていた。
それぞれに
思い思いの言葉をかけられ、
その度に哲たちは頭を下げた。
明日から違う人のものになる家に
戻ってきたとき、
家の前では
ミサやひさしたちが待っていた。
親同士が深々と頭を下げ、
記念になりそうな何かを交換している。
最初のコメントを投稿しよう!