【26】くるみのオトコ

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「はあ?」 眉間に皺を寄せている奴の顔を睨みつつ、 「そんな事より何でこんなとこにいるの?」 どうして私の居場所がわかったのかが気になった。 「タクシーからおまえがハヤテと走ってるのが見えたんだよ! この腐れビッチの浮気女っ!!」 そう言って私の上にドスッと腰を下ろすこの男。 「ちょっと重い!! それに腐れビッチの浮気女って何よ!! 私は誰かさんと違ってそんな事はしません!」 「ハッ、よく言う。 さっき春陽からのメールで『胡桃と千夏はもらった』って! だから急いでヘリに乗って来たんだろーが!!このタコ!!」 「は?ヘリ? ヘリってヘリコプター?」 「他に何があるんだよ!」 「ブフッ、アハハハ!! 何それ?ウケる!!アッハハー!!」 「テメーふざけんなっ!!」 「きゃあああ!!」 私とこの嫉妬深い男の言い争いはなぜか熱い口付けに変わり、 本当はお互いすごく会いたかったんだとすぐにわかった。 「はあ、ヤバい…。会いたかった…。」 吐息交じりのその声にうっとりする。 「フフッ、初めからそう言えばいいのに…。」 「バッカ、おまえが素直じゃねーから…、」 「そーお? じゃあ千秋お帰り。」 と言ってチュッとすれば、 ボボッと即座に顔を赤らめるそんな千秋が可愛い。 .
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