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「…んぁ?」
ふと傍で囀ずる鳥の鳴き声が聴こえ、ああ…朝か、と俺は凝り固まった関節を揉み解しながら身を起こす
だがそこは自室の簡易的なベッドでは無く鬱蒼と緑生い茂る森の中だった
…何を言っているか解らないだろうが、目が覚めたら森の中の草むらにごろ寝していたらしく、衣服には泥やら埃やらが付着し、みすぼらしい姿だった
何かすっごく懐かしいデジャビュ
取り敢えず寝るまでをもう一度思い出してみよう
確か…訓練と称したシゴキを馬鹿弟子に施した後、半屍となった襤褸切れを放置して自室のベッドに横になった記憶は確かだ
だが、目覚めて見れば地面に直寝していたのはどうした事だろう?
馬鹿弟子の悪戯か、はたまた寝相の成せる御業か…
まぁ寝相の線は無いのだろう
幾ら寝相が悪くてもこんな見も知らない森に辿り着く筈もない
かといえ、馬鹿弟子の悪戯の線も無いのだろう
幾らあのノータリンが馬鹿だとしても、どうしようも無い愚か者だからと言ってこの己(お)れにこんな真似をする筈も無い
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