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「ありがとうございました!」
「うむ」
炉端で営業していた甘味屋(たい焼き)の店員から紙袋を受け取り、代金であるたい焼き八枚分の金を手渡し歩き出す
歩きながら行儀についてとやかく言う奴がいないからと、紙袋よりたい焼きを一枚取り出しかぶりつく
香ばしく焼かれた匂いと懐かしい味が口内に広がる
食料品の違いも無いようだし、味覚も問題無いみたいで少しだけ安心した
異世界と言えばお約束があるようにどこかしらで何かが違ったりするモノだ
経験則上
まぁ通貨についても杞憂に終わったし後は…
もぐもぐとたい焼きを咀嚼しながら此れからを考える
彼方(あちら)に帰る手段…とは言え、別段彼方に未練など無いのだが、己れが戻らねば騒ぎ立てる馬鹿共もいる(多少)し、帰る手立てを探しつつ観光でもするか
等(など)と喧しい仲間のような下僕(呼称)の顔を思い出しつつ苦笑いしながら歩いていればいつの間にか再び海浜公園まで戻って来ていた
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