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限り無く霊に近い、そんな雰囲気さえ漂わせていた。マリアは失笑し、ゆっくりと手から淡い青の光を放つ。
不思議だ、あんなに会いたかったはずなのに体は震えている。
それは精神的な恐怖心、何故恐くなったのか。
何かが、違っていたから。其れとも単に、嘘だと思うから。
否、明らかに妙な感覚が芽生えている。真凛は私の記憶によれば、死んだ。
しかし、仮にも其れが偽り。例えて、何かを補う合間な記憶だとしたらまた別の考えが無限に生まれる。
「嘘だ、だって。真凛は撃たれたはず……」
「瑠璃、ごめんね。あなたに言いそびれてしまった事があるの、私はマリア。真凛はねもう一人の自分なの」
彼女は何を言いたいのか、本の知識から瑠璃は思考を引っ張り出す。
二重人格(にじゅうじんかく)
行き着く答えは、その言葉だった。
だが、納得いかない私は。思わず渋りながら、辻褄が合わないと言い返す。
そう、二重人格と言うも。体は一つしかない、人は肉体を失えば魂だけが残る。
成る程、改めて思案すれば答えは簡単だった。
「あなたは、真凛じゃない。マリアと言う魂って言いたいんだよね?」
「正解、私は彼女の中に存在する。双子みたいなものかな」
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