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――リア
懐かしい声だ、この優しい声は確か……。
闇夜の静寂、空を見上げながら彼女は途方に暮れていた。
ポツリと、冷たい水が落ちる。
ザァー、ザァー
雨、見れば雲は曇っていた。
白に輝く星達が、ゆっくりと流れる。
今夜は流星群のようだ、けれど素直に感動何て出来ない。
マリアはもう、居ないのに。
「っ、何で。私達は皆と違うの?」
自身の胸に手をあてて、広がる夜空は眺めた。
暫く歩くと、人気の無い公園に辿り着く。
ぼーっとしていた為、気付かなかった。
涙に混じって雨が頬に伝う、もう冷たさは感じない。
悲しみは癒える事無く、ワタシはただ歩き続ける。
帰る場所何て無いから、さ迷い歩く。
「雨か、でも私には関係無い。マリア、この空の星の何れかがあなたなの?」
無性に乏しいだけ、あの子が居ないと、こんなにも悲しいものなのか。
「どうしたの、元気無い顔して?」
途方に暮れ、空を見上げていると少女が話し掛けてきた。
雪のように、白い髪をツインテールに結んだ彼女。
「初めまして、私は真白優芽。お姉さんは?」
少女は不思議な雰囲気を放つ。
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