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満天の星空の下、私達は出会う。
お天気雨な不愉快でしか無い天候は、何だか憂鬱にもなる。
「変な天気、ねぇ。お姉さんも思うでしょ?」
「優芽(ゆい)あなたは私と同じなの?」
白く輝く星を見詰め、少女は嬉しそうにこう言った。
「うん、そうだよ。私の能力は。シャドウウォーカー」
彼女は白い髪をほどき、少し癖かがった其れはふわりと靡く。
矢先、電灯がチカチカと点滅を繰り返し出す、まるで優芽と共鳴しているかのようだ。
一瞬の出来事、瞬く間に周囲から光が消える。
「影よ、自由に暴れなさい」
シュンッ
音を発する影、少女の右手から黒い光が放出された、やがて彼女を飲み込む其れ。
「き、消えた?」
「ふふっ、言ったでしょ。私はあなたと同じ能力者(エスパー)なの」
耳元で囁かれた、しかし優芽の姿は見えない。
肉眼では確認出来ないようだ、仕方無く私は自分の力を使った。
「星から創られし命、汝の喚びに応え。闇夜を打ち払え、光の精よ」
瑠璃は呪文を唱え、辺りに輝きを作り出した、途端に周囲から闇が消える。
無音になって、影は光へと変わった、徐々に消える暗闇。
「へー、お姉さん。凄いね」
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