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あれは、確か。侵入者が来た時に鳴る、仕組みの機械だ。
ガシャンッ
不意に、後ろから高い金属音が響く。驚いて振り返れば、シャッターが閉まっていた。
不味い、閉じ込められた。私と優芽は互いに顔を見合わせた。
考え付く先の答えは、同等の者しか無い。多分、近くに能力者が潜んでいる。
(っ、この子だけは。助けないと)
心中でそう思うも、なす統べ等無い。どうしたら良いのか、暫く思考を回転させる。
瑠璃は、泣き出す少女を優しく抱きしめ。小さな声で、歌を唄ったこんな時に自分は何をしているのか。
「お姉さん?る、瑠璃お姉ちゃ……」
彼女は戸惑いながら、上目遣いに、瑠璃を見詰めて名前を呼ぶ。
「私は、風属性じゃない。だからごめんね、これくらいしかしてあげれなくてっ」
涙目、そんな彼女に優芽はただ頭を撫でてあげる。
フワッ
そんな時、突然体が宙に浮いた。ゆっくりと浮上して行く自身、その光景に瑠璃も優芽も困惑する。
「全く、お前ら何してんだよ?」
真上から降る少年の声、驚きながら瑠璃は上を向く。少女は確りと、私の腕を掴んでいた。
「えっ、人が浮いてる……?」
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