第1章

15/30
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
えーーっと、帝王大附は? けげっ!15点差以上の差が… んー、やっぱり“アイツ”かなぁ… 全国No.1エース 雷同らいどう 直樹なおき 身長188cm 体重82kg 最高到達点333cm 全ての能力がズバ抜けていて、未来の日本代表とまで言われている、帝王大附不動のエースだ。しかも、サウスポー。 色黒でヤクザみたいな鋭い顔、締まった身体に似合っている短髪。怖くなければモテそうなんだが、見た目からして怖いから無理。 中身は礼儀正しく、バレー好きな純粋少年らしいけど。 「くぁ~~!どーやったら、あのコースに打てるんだよ!」 「弱点も無いし、不安だなぁ…」 珍しく、チームに不安や緊張といった空気が漂いはじめる。 「先輩~!俺、あの人のブロック嫌です…」 さすがの俊太も参ってしまった。 「ボクはやるだけのことをやるよ」 「先輩カッコいい…!新たな魅力発k…ぎゃふっ!」 …いや、全然参ってなかった。 公式アップをとり、いよいよ試合だ。 「「「帝王大附!帝王大附!帝王大附!」」」 向こうはすごい応援だ… でも、負けられないぞ! コートエンドに並び、笛が鳴ってから相手と握手する。 雷同がボクと握手する時に、 「お前と勝負だ。ぜってーレシーブさせねぇからな」 やっぱり怖い… ビクッとしてしまった。 雷同はそれを言うと、行儀よく礼をしてからチームのとこへ戻る。 なんだったんだ… ……… 1セット目から一進一退を繰り返す。 デュースに入ってから、康平のジャンプサーブで流れが変わり、セットを先取する。 2セット目は、雷同のスパイクが炸裂し、3点差でセットを落とす。 運命の3セット目 13点目を先に取られ、コートチェンジをしようとした瞬間に… そこから、ボクの記憶は途絶えた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!