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えーーっと、帝王大附は?
けげっ!15点差以上の差が…
んー、やっぱり“アイツ”かなぁ…
全国No.1エース 雷同らいどう 直樹なおき
身長188cm 体重82kg 最高到達点333cm
全ての能力がズバ抜けていて、未来の日本代表とまで言われている、帝王大附不動のエースだ。しかも、サウスポー。
色黒でヤクザみたいな鋭い顔、締まった身体に似合っている短髪。怖くなければモテそうなんだが、見た目からして怖いから無理。
中身は礼儀正しく、バレー好きな純粋少年らしいけど。
「くぁ~~!どーやったら、あのコースに打てるんだよ!」
「弱点も無いし、不安だなぁ…」
珍しく、チームに不安や緊張といった空気が漂いはじめる。
「先輩~!俺、あの人のブロック嫌です…」
さすがの俊太も参ってしまった。
「ボクはやるだけのことをやるよ」
「先輩カッコいい…!新たな魅力発k…ぎゃふっ!」
…いや、全然参ってなかった。
公式アップをとり、いよいよ試合だ。
「「「帝王大附!帝王大附!帝王大附!」」」
向こうはすごい応援だ…
でも、負けられないぞ!
コートエンドに並び、笛が鳴ってから相手と握手する。
雷同がボクと握手する時に、
「お前と勝負だ。ぜってーレシーブさせねぇからな」
やっぱり怖い…
ビクッとしてしまった。
雷同はそれを言うと、行儀よく礼をしてからチームのとこへ戻る。
なんだったんだ…
………
1セット目から一進一退を繰り返す。
デュースに入ってから、康平のジャンプサーブで流れが変わり、セットを先取する。
2セット目は、雷同のスパイクが炸裂し、3点差でセットを落とす。
運命の3セット目
13点目を先に取られ、コートチェンジをしようとした瞬間に…
そこから、ボクの記憶は途絶えた。
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