第1章

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 全部じゃないけれど。すべてとは言えないのに。 挫けない、諦めない、立ち直れる、頑張る為に、 皆が傍に居てくれるし、可能性は無限大だし、 この世界は広大で、ドコまでも行けるけれども、 そのせいで、ボロボロなる事は君のパワーになる。  まぁ、そのほとんどが勝者か上に住んでる様な 天上人か、いま注目されて命を削ってる人の言葉。 私が命を削っても、言葉に値しないけれどね。  いじけてる訳でも、拗ねてる訳でもないのね。 だって私、もう、バラバラだから。ね。 多分だけど、こうやって考えたり出来る時間も ほんの一寸で。数分とかじゃなくって。数秒で。  情けないな。もう少し最期は、その今際の際の 数秒間くらいは、ちゃんと何かを言おうって。 いつだって、学生だからって、そのくらいの事は 違うかな、学生だからこそ、余計に他人よりも、 自分をちゃんと伝えておきたいって、思ったかも。  いま、わたしはバラバラ。どんな風にとか、 説明されたくないでしょ?血塗れだし。だからさ こんなになっちゃった私を、誰にも伝えたくない。 そのくらいの自由。数秒間の自由は許して。  お願い。許してよ。  自分のものだと思い込んでいた、パーツを把握、 それすらできなくなって、この場所にいるのね。 痛いし、苦しいし、悔しいけれど。しょうがない。  私は何かが足りないから、こんなに辛いの。 でも、何があれば満ち足りているのか、解らない。 あなたは判るのかな。だったら凄いよね。 そういう人と友達になりたかったけど。残念無念。 私、もうすぐ死にます。数秒か、それより少しだけ 長い時間を目一杯に苦しんで死んでいく。  死んでいく。あれほど躍動していたのは全て過去。  行く、逝くとかそういう、世界に関係ない文字に 私も関係なく、いくから。これでも結構頑張って、 何でもいいから、言いたいことぶちまけてさ。 プールの水を全部、抜いてしまう簡単なやり方で、 さようならって。さようならって、言いたくて。  誰?私の最期を邪魔するのは誰なの? 許せない。絶対に許せない。季節も命も天気さえも 全部、関係なく許せない。やめて。触らないで。 止めてください。お願いです。止めて本当に。  でも私はスクワレテ、金魚鉢にいます。 ずっと恨んでやる。この先もずっと妬んでやる。 辛みを浴びせて、嫉みを忘れない。  忘れない。私は金魚。忘れないから。泳ぐよ。
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