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◇◇◇
蕾斗さんと一緒に暮らし始めて、三週間が過ぎた。
四年生になると、大学の講義はあまりなくて卒論の方が忙しくなるって、蕾斗さんが言っていた。
親に生活費を全て出してもらうのは嫌みたいで、バイトも頑張っている。
あたしはと言えば、大学をやめてから凄く暇になった。
いくら疲れやすいとはいえ、何もしないで一日過ごすことには耐えられなくて、時々美波に声をかけたりする。
今日も午前しか講義がないって言うから、ランチでもしようってことになって、イタリアンのお店で待ち合わせをした。
「理彩、体調はどう? 赤ちゃんも順調?」
「うん。母子共に順調だよ。美波は? 一樹さんと順調?」
「うん。そういえば、あとで一樹さんと穂坂さんが来るって言ってた」
「えっ、どこに?」
「ここに」
「えっ!? 何で?」
蕾斗さんは一言もそんなことを言っていなかったのに。
と思っていたら、
「大学で会ったときに、『今日は理彩とランチに行くんだ』って言ったら、『俺も混ぜて』とか言い出して」
「一樹さんが?」
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