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てか、なぜに個室?
山ちゃん独りで待つよりいいでしょ?
って。
独りの方がマシじゃーっ!!
と、
心の中で盛大に叫んだ後、
こんなことになるならバカなことするんじゃなかったと後悔した。
「なぁ、何食う?」
海斗君はお品書きを捲っている。
「ご飯系が欲しいです」
「ご飯系?
おにぎりかお茶漬けしかねぇけど」
「じゃあ、おにぎりで」
「んー」
海斗君は愛想なく返事すると、
またお品書きを捲った。
個室だから静か過ぎて、
それを捲るわずかな音さえ耳につく。
居心地が悪い。
「失礼しまーす!
ビールとオレンジジュースでーすっっ!」
突然襖が開き、
陽気な大声が飛び込んできた。
藍色の作務衣に腰エプロンを着けた店員さんは、
お盆に乗っていたビールとオレンジジュースを机に置くと、
パタンと襖を閉めた。
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