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「はは……、で? 何で?」
箸置きで遊んでいた海斗君の手が止まった。
「あー、別にいいけど。
何時頃になりそう?」
え……。何時頃って何?
「んー、知んねぇけど。
いいんじゃねーの、別に」
今度は片手でおしぼりを畳み始めた海斗君。
何か分かんないけど、
今勝手に判断くだしたよね?
知んねーけどいいって何が!?
「はいよ。んじゃ後で」
その言葉を最後に、
海斗君はスマホを置いた。
んじゃ後で?
あたしは嫌な予感がしつつも、
電話の内容が早く知りたくて
若干前のめりになった。
「何?」
海斗君の眉間にシワが寄っている。
ものっすごく不愉快そうな顔だ。
「え……っと、今の電話。蓮君……?」
さっき「蓮か」って呟いていたんだから、
電話の相手が蓮君だって事は分かっているんだけれども。
何の話だったのかって事を
遠回しに尋ねたつもりでそう言ってみたら――。
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