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食べるのが勿体ないくらい綺麗だな
と思っていると、
海斗君が早速それに箸を伸ばした。
「海斗君。
サオリさんがお刺身食べたいって言ってたらしいし、
置いといた方がいいんじゃ……」
「あー?
んなモンは新鮮な内に食うもんだろ。
食いたけりゃまた頼めばいいんだし」
そう言われりゃそうなんだけど……。
でも……。
「うーん……」
ついつい声に出して唸っていると、
「ほらよ」
と海斗君が
きれいな箸使いでお刺身を持ち上げ、
あたしの目の前に突き出した。
「え?」
「食えよ。早く! 醤油が垂れんだろ」
「あ、じゃあ、ここに……」
流石に海斗君の箸に食いつく訳には……。
と、慌てて取り皿を手にしたけれど
「めんどくせー事すんなよ。
このまま食えよ、ほら」
と、威圧される。
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