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「なんだ、食うのかよ」
そう言った海斗君の言葉はガン無視で、
今度は山形に固められた緑色の刺激物を
たーっぷりお刺身に乗せる。
そこで海斗君は、
あたしが何をしたいのか悟ったようだ。
「いや、テメー……。
それはちょっと無理だろ。
ちっとは加減しろよ」
その言葉を無視して
海斗君がしていたように
わさびを内側にしてお刺身を半分に折ると、
これが涙腺に強烈なダメージを与える危険物だとは
一見には分からなくなった。
「マジか……」
チョンチョンと醤油をつけたとき、
海斗君の顔がひきつった。
「はい、マジです」
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