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「山ちゃーん。今日さ、ご飯食べに行かない?」
カウンターに腕と顎を乗せた蓮君が、
パソコン入力中のあたしを正面から見下ろしている。
蓮君は今さっき、
運転免許の更新手続きから帰ってきたばかりだ。
どういう流れでそうなったのか、
よく分からない。
「え……っと、二人で?」
「そーそー」
「あの、ごめんなさい。
そういうのはちょっと……」
「あ、今警戒した?
警戒したでしょ」
「え……、別に……」
「あ、もしかして俺、嫌われてる?」
「そういう訳じゃないけど……」
「じゃあ、いいじゃん♪
行こうよー」
蓮君はクリップボードに挟んだ予約表を取り、
既に終業時刻の算段をたて始めている。
あたしは咄嗟に立ち上がり、
それを奪い返した。
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