几帳面vsマイペース

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*** 「山ちゃーん。今日さ、ご飯食べに行かない?」 カウンターに腕と顎を乗せた蓮君が、 パソコン入力中のあたしを正面から見下ろしている。 蓮君は今さっき、 運転免許の更新手続きから帰ってきたばかりだ。 どういう流れでそうなったのか、 よく分からない。 「え……っと、二人で?」 「そーそー」 「あの、ごめんなさい。 そういうのはちょっと……」 「あ、今警戒した?  警戒したでしょ」 「え……、別に……」 「あ、もしかして俺、嫌われてる?」 「そういう訳じゃないけど……」 「じゃあ、いいじゃん♪  行こうよー」 蓮君はクリップボードに挟んだ予約表を取り、 既に終業時刻の算段をたて始めている。 あたしは咄嗟に立ち上がり、 それを奪い返した。
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