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そうこうしていたとき、
机に置かれた海斗君のスマホがブブーッと振動した。
「蓮君?」
ディスプレイを確認した海斗君にそう訊いてみる。
「あぁ」
海斗君はあたしに答えてからスマホを耳に当てた。
「あぁ、終わった?
お疲れ。
んー、造り盛り?
来た。つーか食ってる。
いや、また頼めよ」
時折、ハハと軽く笑いながら話す海斗君。
蓮君とサオリさん、やっと終わったんだ。
そう思いながら腕時計を見てみると、
時間は既に19時半を過ぎていた。
あれ?
そんなに時間経ってたんだ。
ちょっと楽しかったかなー、なんて。
チラリと海斗君を盗み見る。
おしぼりでビールジョッキの下に溜まった水滴を拭きながら話す海斗君を見て、
案外、几帳面なのかなと思った。
言葉や動きは乱暴だけど。
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