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「もうすぐ来るってよ」
「あ、そうなんだ」
海斗君はスマホを机に置くとお品書きを手に取った。
「つーか、今気付いたんだけどよ」
お品書きを見ていた海斗君がチラリとあたしを見る。
「何?」
「わりぃ」
なぜか謝った。
と言っても棒読みで、
全然謝られてる気がしないんだけれども。
「テメーのおにぎり頼むの忘れてたわ」
「……」
おにぎり。
おにぎり?
あぁ、そういえば!
最初にご飯系が食べたいって言ったんだっけ。
あたしもすっかり忘れていたのだ。
何だか無償におかしくなってきて、
思わず吹き出してしまった。
「何でそこで笑う訳?」
「あたしも忘れてたから」
「それの何が面白いのか全然わかんねぇんだけど」
おにぎりのことを忘れてしまうくらいなんて。
ちょっと楽しかったかなー、どころじゃない。
あたし、そんなに楽しかったんだ……。
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