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蓮君がケラケラと笑っていると、
「聞こえたぞ。忘れてねーよ」
と、階段の上から冷たい声が落ちてきた。
中腹から見上げると、
ロッカールームに入りかけていた海斗君が足を止めて、
あたしたちを見下ろしている。
「あーら、海斗さん。
今日もイケメンね。惚れちゃいそう」
蓮君がペチンと合わせた手を左のほっぺにくっつけて小首を傾げると、
海斗君は
「キモいわ。死ね」
と冷たい声を蓮君の胸に突き刺し、
ロッカールームに入っていった。
こわっ。
あんなおっそろしい人にキスされそうになっていると思うと心臓が縮みあがる。
本気で迫ってきたら、
拒むのが怖くてキスを許してしまうかもしれない。
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