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キョウさんはビシッと片手をあげると、
あはは~と上機嫌に去っていった。
なんと言うか……。
嬉しそうだ。
「行くぞ」
海斗君が背を向けた瞬間、
舌打ちしたのを聞いた。
悲しいような腹立たしいような気持ちで、
胸が熱くなった。
なんで嫌そうにするの?
嫌なら、なんでキスしたの?
会館への道中、
訊こう、訊こう、
と思いつつ、
助手席でそれを切り出すタイミングを窺っていたけれど、
運転する海斗君の横顔が不機嫌そうだったから、
結局なにも訊けずに会館に着いてしまった。
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