キスの理由(二)

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キョウさんはビシッと片手をあげると、 あはは~と上機嫌に去っていった。 なんと言うか……。 嬉しそうだ。 「行くぞ」 海斗君が背を向けた瞬間、 舌打ちしたのを聞いた。 悲しいような腹立たしいような気持ちで、 胸が熱くなった。 なんで嫌そうにするの? 嫌なら、なんでキスしたの? 会館への道中、 訊こう、訊こう、 と思いつつ、 助手席でそれを切り出すタイミングを窺っていたけれど、 運転する海斗君の横顔が不機嫌そうだったから、 結局なにも訊けずに会館に着いてしまった。
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