キスの理由(二)

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会館というのは市民会館だった。 市民会館ではコンサートや演劇などがよく開催されているため、 そういう娯楽のための施設だと思い込んでいたけれど、 天井の高いエントランスを過ぎたエレベーターの横には案内板があり、 海斗君に付き従うままエレベーターを待っていたときにそれを見て、 ようやく3階に会議室があるというのを知った。 「へえ。あるんだ。会議室」 「当たり前だろ。 何しに来たんだよテメーは」 あれ? 海斗君が答えた? 避けられてたのに? 驚いて海斗君を見上げると、 「なんだよ」 と睨まれた。 「な、なんでもない」 嬉しいような……。 恥ずかしいような……。 やっぱり複雑。
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