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「あ……。
お……はよ……ございます」
翌日、
海斗君とどんな顔で会えばいいのか分からず、
海斗君がいつも出勤する時間より早く出勤したのに、
こんな日に限って海斗君も早いのだからあたしはツイてない。
ロッカールームの前で一瞬立ち止まってしまったあたしは、
直ぐに目を逸らして自分のロッカーまで歩いた。
「ああ……。はよ」
挨拶は返してくれる。
ということは、
昨日キスをした理由を訊いても答えてくれるんじゃないかと思った。
けれど、訊けない。
顔が赤くなるばかりで、
恥ずかしくて顔があげられない。
海斗君はパタンとロッカーを閉めると、
いつもと何ら変わりない足取りでロッカールームを出ていった。
「……」
やっぱりいつも通りなんだ……。
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