キスの理由(二)

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「てか、やっぱり海斗が好きなんじゃん」 「う……」 今さら嘘をついても無駄だと分かっているけれど、 それを口に出して認めるのは恥ずかしい。 「そういう訳じゃないんだけど……」 あたしは用意したカップに、 コーヒーの粉末をスプーンですくって入れた。 「なーんで、そこは認めないかね。 だって俺が山ちゃんにキスしたって、 そんなに悩まないっしょ?」 「え、蓮君が?」 「そ。こんな風に」 隣の蓮君を見上げた瞬間、 蓮君の顔が目の前にあった。 「のわあッッ!」 直ぐに冗談だと気付く距離で蓮君は顔を離したけれど、 その場にタイミング悪く現れたのが海斗君だ。
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