言えない

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「何の話?」 あたしは控えめに蓮君に訊いた。 隠し事をされると聞きたいけれど、 海斗君が蓮君をすんっごい目で睨んでいるのだ。 まるで、 喋ったらブッ殺す! と脅迫してるみたい。 聞いてしまったことであたしに被害があるなら嫌だから、 聞いていいものかどうか悩む。 「山ちゃんはアップにしたら似合いそうだって、 前に海斗が言ってたんだよ。 原始人のコメント機能で」 蓮君はチラリと海斗君を見てから答えた。 しかも、あっさりと。 「あ……、そうなんだ」 一応、照れる。 あたしの知らないところであたしの話をしてるなんて、 あたしに気があるのかなー。 なんて。
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