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あたしがユウカに勝っているところなんて一つもないのだ。
友達なのに……。
ううん。友達だからこそ妬ましい。
ユウカを認める度に自分と比べて、
恵まれていない自分に落ち込んでしまう。
「でね、結婚式は6月に挙げる予定なんだけど、
友人のスピーチ、
理子がやってくんないかな」
「へ?」
紅茶が入ったカップを抱き、
フーフーと冷ましている時だった。
ユウカはユウジさんの隣に座り、
頬杖をついている。
「だから、スピーチ。披露宴の」
「ええっ!?
無理だよ、そんなの。
あたしが人前に出るの苦手だって知ってるじゃん」
「知ってるけどさー。
理子にやってもらいたいんだもーん。
私の一番の友達は理子だし」
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