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「そりゃ物騒じゃなぁ」
「大将がイカれてんだ。八須賀五六(ハチスカゴロク)。あっこは先祖代々山賊で、五六も父親に連れられて小さい頃から人を殺してる。いわばキラー・エリートさ」
「幼い頃から人殺しを強要すれば歪みもしよう。かわいそうにのう」
坊主の嘆きをアスマは無視した。かわいそうなどとはまったく思わなかった。
五六に殺された仲間の顔が脳裏に浮かんだ。最後に見た彼らの顔は、笑っているものではなく、苦悶に歪んだ顔ばかりだ。
デツさん…………
その中には自分にとって大切な、人生をやり直させてくれた人の顔もあった。彼がいなかったら今の自分はない。
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