第2章

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取り残されたのは 空っぽな身体。 ドクドクと走る心臓が落ち着くのに時間が掛かった。 「なにやってんの、あたし」 ザバザバと身体を洗い それよりも乱暴に頭を洗う。 流れる泡が所々で目に滲みた。 熱いのに 冷たくなる おかしいな 彼だけしか 志伸さんだけしかいない筈なのに 埋まらない…… 埋まらない。 オニイチャンだから? 青木君がたまには、そうしないとダメみたいに あたしも何かを どこかをどうにかしないとダメなの 「なんでかな」 シャンプーって結構イタイ。 滲みた目を洗って 彼に続きお風呂場を出た。 キッチンで冷蔵庫を物色して リンゴジュースに癒され二階へ上がる。 志伸さんの部屋からは 薄く灯りが漏れていた。 もっと、メチャクチャにシテホシイ 壊れてもイイから もっと、シテ そんなはしたなく溢れた貪欲は 綺麗な想いさえも喰い尽くす。 自分の身体なのに うまくコントロール出来ない マットに埋もれてただ静かに放熱する。 夜が過ぎていくのは いつも以上に遅く感じた。
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