第2章

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下から見上げた志伸さんは刺激的過ぎて まともに目を合わせられないくらい。 暗くて良かった。 「……痛い」 呟いてみて、直ぐ。 あたしの予想とは大きく違う方へ展開する物語に 興奮が焦りに変わる。 「華、もう、ココには来るな。 ………送っていく」 表情が全く見えない。 暗い所為じゃない、怒りの所為だ。 聞こえるのは長い溜め息の音。 空気中に溶け込んだのは、諦め。 逸る心臓 焦る身体 玄関にたどり着いたのかチャラリ、と金属の摩れる音が聞こえた。 「華、早くしろよ」 本当にあたしを送り帰すつもりだ。 こんな時間に帰されてどうしろっていうの? このままココに居座って、もっと逆鱗に触れるか それとも、大人しく帰るか。 それとも、志伸さんを試すような事をしてみるか。 一つ、深呼吸をして自分の荷物を持った。 上手くいかなかったら、それは、それ。 きゅ、と唇を結んで志伸さんの待つ玄関へと歩いた。
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