第2章

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もう我慢できなかった。 彼を煽り、焚き付けている事に どうしようもなく心が踊る。 こんなにまで思い通りに、あの、志伸さん、を捕まえる事が出来るんだと、ワクワクして そして ズクズクと疼いた。 笑いが漏れてしまう。 だけど、それを“ソンナ笑い”だと悟られなければイイだけ。 「こんな時間じゃ家にも帰れないし 別のところ行くから、送ってくれなくていい」 凄い、あたし。 どんだけ女優? 別のとこって、どこ? 笑いを堪えると、そのぶん彼を逆撫でする技に変わる。 「じゃあね、オニイチャン」 これ見よがしに何? だけど ここまでして、何も、何事もなく過ぎてしまったら もう、終わりなんだけど。 それ、分かってる?あたし? 玄関は思いの外寒くて だけど、興奮しているから顔だけが熱くて 変な感じがした。
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